漢字を正しくきれいに書く意味を理解するのに役立った2組の漢字

f:id:bakko-taishin:20180907095956p:plain

「字をきれいに書きなさい」と一体何回言えばわかってもらえるのでしょうか。

 

男の子は女の子に比べて字が汚いです。もちろん統計を取ったわけではありませんが、同意してもらえると思います。

 

ノートだろうがテストだろうが、他人はおろか、本人にも読めないであろう字を書いています。(自分が子供の頃のことは棚上げですが)

 

漢字を正しく覚えるには、何度も繰り返し書くのが一番です。ただ、間違ったまま何度も繰り返しをしてしまっては逆効果になってしまいます。

 

そこでよく似ている漢字2組を例に挙げて説明してみました。今までは何を言ってもスルーされていたのが、具体的な例だったおかげか少しだけ意識してくれるようになりました。

「止め・跳ね・払い」は不要?

きれいな字を書くために

きれいな字を書くために重要となるのが「書き順」「止め・跳ね・払い」だと思います。

 

書き順が大事だなと一番感じるのは「左右」と書くときです。「右」という字を「斜めの払い」から、「左」という字を「横線」から書くと確かにバランスがよくなります。

 

止め・跳ね・払いについては「字を書く時の基本」という意識だったので、子供には口うるさく言っていました。跳ねるべきところを止めてしまっては印象が大分違ってきます。

 

文科省の見解

どう教えるといいだろうかとネットで検索していると、個人的にはかなり衝撃的な記述を見つけてしまいました。

 

「止めや跳ねがどうであろうと、大まかに字面が合っていれば正解とする」というような見解を文科省が出しているではありませんか。

 

「細かい部分まで一生懸命覚えていたあの頃の苦労はなんだったんだろう」という思いと、「しっかり止め・跳ねを意識して覚えたからこそ、今もしっかり書けるんだ」という思いが交錯します。

 

確かに外国人の書く文字は読めないようなものも少なくありません。日本人が五月蝿過ぎるだけの気もします。

 

ピカソは絵がうまい

実用面から言えば、多少汚い字であろうと「読めればいい」というのはわかります。

 

書道の先生が書く崩した字は読めないようなものも多いので、どちらが学校やビジネスで有用かは明らかです。

 

ただ、書道の先生はもちろんきれいな字を書けます。変わった絵ばかり描いている印象のピカソも、普通の絵を書かせるとめちゃくちゃうまいわけです。

 

試験で点数を取るためには不要であっても、どうせなら我が子には「正しい字」を知っておいてほしいなという気持ちがあります。

 

線の長さの大切さは「未」と「末」で説明

教科書の一文を読み上げ、長男にそれを漢字で書かせていたところ、変な字を書いていることに気づきました。

 

「羊」という漢字ですが、3本の横線のうち、真ん中の1本が長くなっています。

 

明らかに字のバランスが悪いのですが、子供は特に気にしていない様子。短く書くよう指摘しても「なんのために?」というような表情をしています。

 

確かに「ひつじ」以外の他になんて読むかと言われると読みようがありません。「読める」という意味では用を成しています。

 

いろいろと説明を試みるのですが、いまいち響かないようです。「なんで?」という単純な問いに対する答えとして何がふさわしいのでしょうか。

 

そこで線の長短で違う漢字になるものはないかと考えてみました。

 

思いついたのが「未」と「末」です。

 

「明日とか明後日とか未来のことを表す漢字なのに、横線をちゃんと短くしないと終わりって意味になっちゃうぞ」

 

なぜだかはよくわかりませんが、「へぇーーー」と長い返事が返ってきました。どうやらこの説明が腑に落ちたようです。

 

それからは「羊」という字を書く時だけはしっかりと意識して真ん中の横線は短く書かれるようになりました。他の漢字ではまだマチマチですが。

 

線から出るか出ないかの大切さは「牛」と「午」で説明

次男はひらがな、カタカナは割ときれいな字を書いていました。でもなぜか漢字の練習が始まると、ひらがな、カタカナ、漢字の全てを汚く書くようになってしまいました。

 

「生」という漢字の縦線が横線の上からしっかり突き出ているときと、横線でピタッと止まっているときが半々です。

 

本人はあまり意識していないようで、間違いを指摘しても「あれ、そうなの?」という感じです。正解するかどうかは運次第です。

 

長男でうまくいったので、このときも線が出るかどうかで違う漢字になるものはないかと考えてみました。

 

思いついたのが「牛」と「午」です。

 

「午」は普通「午前」「午後」に使いますが、昔の読み方で「うま」とも読めます。干支の「うま」はこの字ですね。

 

「牛(うし)のつもりが、縦線を出し忘れちゃうと午(うま)になっちゃうぞ」

 

次男も「へぇーーー」と長い返事をしました。ほんのちょっとの差でこれだけ意味がかわるのが面白いようです。

 

すぐには直りませんでしたが、「うしがうまになるぞ」と言うと「あっ」と言ってすぐに直してくれるようにはなりました。

 

どのくらい効果があるかはわかりませんが、似た漢字を示してやると字をきれいに書くようになってくれるかもしれません。

 

汚い字でお困りの方は試してみてはいかがでしょうか。