引き算の文章題がわからない?答えはわかっても計算式がわからない理由

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電球の発明で有名なトーマス・エジソンは、子供の頃算数が苦手だったといいます。

 

答えはすぐにわかるのですが、その答えまでの道筋がうまく説明できなかったからだそうです。頭が良すぎると凡人に合わせるのが大変なのかもしれません。

 

ただ、子供たちの勉強を見ているうちに少し考えを改めるようになりました。答えと式を繋ぐという行為は大人が思うよりも難しいのではないでしょうか。

引き算なのに足し算

小学一年生の次男の話です。長男の横でおとなしく算数の文章題を解いていました。

 

普段は「足し算のプリント」、「引き算のドリル」という風に、足し算だけ、あるいは引き算だけの教材を使用しています。しかしその日は「まとめ」ということで、足し算と引き算が混在していました。

 

横から覗いてみると、ちゃんと答えは合っていそうです。「終わった」というので改めて見てみました。

 

覗き見した通り、確かに答えは合っています。ただ、式を書いていない問題がいくつかあったので、やり直しをさせました。

 

再度答案を見てみると、なぜかそこには足し算の式しか書いてありません。足し算と引き算が半々のはずなのに、全て足し算の式が書かれているのです。

 

「8-3=5」となるべきところが「3+5=8」となっています。ただ、答えの欄にはちゃんと「5」と書かれています。

 

「これ、足し算じゃなくて引き算じゃないの?」と聞いても「???」、「正しい式は何?」と聞いても「???」、困りました。

 

頭の中には数字だけがある

子供の話を繰り返し聞いているうちに、なんとなくわかってきました。まだ彼には「引き算」という概念が無い、あるいは薄いようです。

 

頭の中には「ただ数字があるだけ」、と言った感じでしょうか。

 

小学校一年生では、まだ3ケタや4ケタの大きな数は扱いませんし、繰り上がりや繰り下がりもほとんど出てきません。頭の中で数を数えるだけで解ける問題だけです。

 

足し算の「5+3」を解く場合、元々あった「5」に「3」がやってきます。当然ですが、5と3が並べば「8」になります。

 

では引き算の「8-3」だとどうなるでしょうか。元々あった「8」から「3」がいなくなれば話は早いのですが、どうも「3」は完全にはいなくならないようです。

 

頭の中から消えるのではなく、端の方に置いておくという感じのようです。そうすると足し算の時同様、「5」と「3」が残ることになります。

 

つまり、足し算でも引き算でも頭の中に並ぶ数字の列は変わらないということになります。

 

「同じ数字が並ぶのであれば式も同じになる」という思考のようです。

 

書くことで繋げる

論理的に物事を考えるというのは簡単なことではありません。大人でも混乱してしまうことがあります。

 

特に小学校の低学年であれば、論理的に話をできる子などそうそういません。頭の中にある数字と式がどう繋がるのか、うまく説明できないようです。

 

とはいえ、いつまでも頭の中だけで算数をやるわけにもいきません。もっと複雑な問題になれば、しっかり整理しながら解く必要が出てきます。

 

じゃあどうすればできるようになるかと言うと、やはり書くしかないのではないでしょうか。

 

最終的に頭の中に残る数字の列が同じであっても、その過程は全く違います。その過程の違いが足し算か引き算かという式に表れます。

 

根気よく教え続けるというよりは、書いて定着させるしかない気がします。何回か、あるいは何十回か繰り返すことで、式が持つ意味と頭の中の数字が徐々に繋がっていくでしょう。

 

まあ、今できなくても年齢が上がれば自然とこのくらいは理解できるようになるとは思います。成長の差が激しい年ごろなので、あまりムキになっても仕方が無いのかもしれません。

 

文章で書いているほど実際には冷静ではありませんが、できるだけ気長に見守りたいものです。